2025/05/07
(NO.1718) いずれ何処かで・・ 山田雄正
やっと連休が終わった。
連休が終われば隠居の出番である。
いつまでも家の中で漂ってなんかいられない。
(よし! 今日の昼は鰻で一杯やるとするか)
足取りも軽く街中まで出掛けて行く。
新緑が清々しい。
(いいねぇ、五月の季節は・・)
馴染みの鰻屋の暖簾を潜ると白焼きと酒を注文する。
淡泊な白焼きはぬる燗の酒が味を引き立ててくれる。
(旨いなぁ、白焼きは・・)
酒は二合ほど呑んだらそれで十分。
後は蒲焼が二段に入っている特重で腹を満たすのがお決まりのコースである。
(呑んだ、喰った、満足、満足・・)
何の不自由もなく快適に暮らしている日々だが、
永遠に続くものではない。
浮世の全ての享楽は現世だけに限られている。
初夏の雲がゆっくりと流れて行く。
快美な隠居暮らしも流れる雲も、いずれ何処かで終わって消える。
07/皐月/2025 山田 雄正